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表紙

吉川化成(株)『50年史』

従業員のアイデンティティ醸成に役立つよう読まれる社史づくりをめざす

吉川化成株式会社 本社総務部 次長 松田 富典 様

2年前、『50年史』の刊行が決まったとき、社長から「会社の強みである開拓者精神、新しいことへのチャレンジの歴史を明らかにし、今後の方向を示したい」というコンセプトが示されました。

編纂実務の担当を命じられた私はその意を汲み、「社歴の新しい人にも楽しく読んでもらって会社の歩みを正しく知ってもらおう。そして、それが将来への道しるべになれば…」と考えました。会社としては7グループに分かれている事業部の交流、情報の共有化に日頃から努力していますが、社史を通じてさらに従業員の心の奥深いところでロイヤリティ、アイデンティティが育まれればいいと思ったわけです。

しかし、初めてのことですからいくばくかの不安はありましたが、伝聞でしか聞いたことのない創業期のことを知るいい機会だ、と前向きにとらえてスタートしました。
とはいうものの、やはり創業当時からほぼ10年くらいの確かな資料は乏しく、その多くを先輩諸氏の記憶に頼らざるをえませんでした。そうなると当然、記憶違いやあいまいさ、あるいは勝手な思い込みなどが生じますから、事実の特定には非常に苦労しました。論議を重ねるうちに、言い出した本人の自信がぐらつくこともしばしばで、結局は私なりに客観的に判断して決める、それを編集委員会に図って最終決定するということが多々ありました。

完成社史

そこで私なりによかったと思うのは、すべての窓口を私一人に絞り、情報の錯綜や混乱を防いだことです。そうやってさまざまな出来事を私の判断で整理し、それを編集委員会に図るようにしたため、原稿段階での再検討をなくすことができました。それから、社史編纂専用の部屋を確保できたために、集めた資料類を項目別に分類して大きな予定表と共に壁に貼って一瞥できるようにしたため、進行状況と資料の収集状況がひと目で把握できました。

先輩諸氏に何度も会社に足を運んでいただいたり、創業社長の奥様にお聞きしたり、あるいは私が先輩のもとに足を運んだりして歴史の断片を集めました。写真も同じような方法で収集しましたが、結果としては資料も写真類もよく集まったと思います。そのような作業を通じていちばん印象に残ったのは、気後れせず、諦めず、とにかく自ら足を運び汗を流せばどこかに目的のものはある!ということでした。

私自身、そのプロセスを通じて会社の歴史を垣間見ることができて嬉しくもあり、また会社のバイタリティを見直すこともでき、この会社に働く喜びを痛感しました。その思い、感動を若い人にもぜひ知ってほしいという気持ちが、よりいいものを作ろうという意欲につながったと思います。私が入社した頃は会社の大発展期であり、日本全体の飛躍期でもありましたから、当時を思い出しては懐かしくもあり、そのエネルギーを改めて感じることができました。そして、今の会社に必要なことはそのような躍動するエネルギーと意欲だということを改めて思い知らされたものです。

幸い、先輩諸氏などからは「読みやすい、いいものができたね」という言葉を頂戴しており、発行の目的はなんとか達することができたかなと少しばかり喜んでいます。この社史が、会社の次世代を担う人たちの心に新しい意欲を生んでくれれば幸せです。また、これを機に「資料の収集や整理・保存のマニュアルを作るように」ということも指示されていますので、今後を見据えた方法を思案しているところです。

ありがとうございました

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