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表紙

『財団法人 病態代謝研究会 40年のあゆみ』

企画、デザインからWEBへの公開スタイルまで
「読んでもらいたい!」の一心でこだわり抜きました

A4判、並製、112ページ、2009年3月発行

財団法人 病態代謝研究会 事務局長 工学博士  山下道雄 様
石川 弘 様

「30年のあゆみ」に続き、10年後に記念誌を発刊された理由を教えてください。

完成社史

 当財団は2007年4月、解散した財団法人医薬資源研究振興会の助成事業を継承しました。ところが振興会の設立趣旨や60年に及ぶ歴史を知らない人もおり、この機会に2つの財団が統合した背景、歴史を整理しておかないと、50周年記念誌を制作する際、経緯がわからなくなってしまう懸念がありました。また、近10年は研究助成事業の申請に際し推薦を不要にするなど大改革を実施した変革期でもあります。さらに公益財団法人への移行申請に向け、開かれた財団であることを外部にアピールし、かつ今後の財団活動を見直すためにも「40周年誌」を制作する必要があると考えたのです。

制作を決められたのは発刊のどのくらい前でしたか?

完成社史

 予算を確保するため2007年11月頃から構想を練り始めました。発案当初は理事会メンバーから「40年はタイミング的に中途半端ではないか」「このご時勢に費用をかけるのはどうか」と反対意見も出されました。しかし、発刊の狙いが明確になっていくにつれて反対の声はなくなり、かつ理事長から積極的な賛同を得ることができ、翌年2月の理事会で承認されました。

どのような編纂体制で社史制作に臨まれましたか?

完成社史

 実際に制作をスタートした4月の段階では、30年史を制作した経験を持つ尾崎と山下の2名。その後、サポートしてくれる制作会社を探し始めた絶妙のタイミングで出版文化社さんからアプローチがあって本格始動。7月に石川が加入。1月、2月の最終校正段階では3人で分担して細かくチェックしました。

「40年のあゆみ」で重視された点は?

 構想段階では病態代謝研究会の40年、医薬資源研究振興会の60年、それぞれの歴史と未来に向けたメッセージを「沿革編」として記述したいと考えていましたが、予算の関係もあり振興会の歴史は「年譜」のみでまとめざるを得ませんでした。そこで振興会の元理事長で、会の歴史に詳しい藤澤友吉郎アステラス製薬株式会社元相談役をお招きして座談会を実施し、振興会の設立趣旨や先人の崇高な想いなどを語っていただきました。同時に、近10年の病態代謝研究会の改革内容や、次世代を拓く助成の在り方について新井賢一前理事長、児玉龍彦理事長、竹中登一専務理事に語っていただき座談会に盛り込みました。

 記念誌は歴史的事実の記載のみに終始しがちですが、それでは読者に読んでもらえない。どうしたら読んでもらえるかを考え、当財団から助成を受けられた研究者の皆様(30名超)にご寄稿をお願いし、助成金がどう役立ったか、どんな想いで研究をされていたか、今後研究助成申請される研究者にどうあって欲しいか、当財団への要望など、自由に書いていただくことにしました。研究者の昔の苦労話や今の活動状況、同じ境遇の人がどのように考えているかといった内容の寄稿文は示唆に富み、励まされることも多く、何より人の興味を惹きますからね。

それだけの数の寄稿文の依頼や収集・整理作業は大変だったでしょう? 写真もたくさん掲載されています。

完成社史

 今回、原稿を依頼した先生方からはよほどの事情がない限り快諾していただきました。これまで日本の生命科学研究の発展を下支えし、微力ながら研究に貢献してきたと自負しておりましたが、お忙しい中で寄稿を引き受けていただけたこと、また寄せられた文面から、財団の活動が社会に貢献し、高く評価されていることを再確認できました。

 文章量には個人差がありましたが、書いていただけることがありがたいと思っていましたので、できるだけ削らず、足りない部分は写真で補うなどして、いただいた原稿はほぼそのまま掲載しました。

 寄稿を頂く先生方のお写真は、画一的な「正面顔写真」ではつまらなく、温かみも出にくいので、お気に入りのスナップ写真を送っていただくようにお願いしました。実験室での写真、研究室の仲間と一緒の写真、ファミリーパーティの写真など 臨場感溢れる、温かさを感じる写真を多数頂戴できました。

緑を基調としたデザインは「30年のあゆみ」を踏襲されたものですね。

 「30年のあゆみ」と統一感を持たせるため、基本色は緑にしました。30年でも表紙デザインに採用した新芽は、今回、成長を意味する新緑の大木の写真とセットにしました。成長しても老木ではない、まだまだこれから大きくなっていくイメージを表現したかったからです。写真を使うと場合によってはコスト高になってしまうのですが、それでもできるだけ安く、かつ想いが伝わるデザインを検討しました。また、記念講演と座談会は40周年の「記念行事」と捉えていましたのでカラーにしました。

WEBで刊行物を公開しておられます。デジタルブック形式を採用された理由は?

 公益財団法人への移行に向け、アステラス製薬以外からもご寄付を頂戴していきたいと考えています。その意味で記念誌は財団が社会貢献していることをアピールする有効なツールです。当財団に関心を持っていただいている方すべてに印刷物としての記念誌を配布することは不可能ですから、ホームページにアクセスして読んでもらいたいと考えました。「30年のあゆみ」もWEBで公開していますが、これはPDF形式です。ストレスなく読んでもらえ、検索もでき、はるかに利便性が高いことを考え、「40年のあゆみ」はデジタルブック形式にしました。

ほかに制作にあたって苦労されたことは?

完成社史

 寄稿文は全部集まらないとページ割が決まらず、編集作業がスタートできません。そのため一部原稿が遅れたことで若干スケジュールに影響しましたが、基本的に苦労は感じませんでした。ただ、役員在任期間や事業費推移の図表等、40年分のデータをコンパクトにまとめるため、デザイン面での工夫に苦労しました。また、各ページ間で記載内容、用語などに一貫性が取れているかなど校正には大変気を使いましたね。

どのようなところに配布されましたか? 反響はどうですか?

 国会図書館、アステラス製薬の各部門や営業所、助成金を交付した研究者の方々や製薬企業系の財団、関連する公益法人、協会、厚生労働省などにお配りしました。多くの方から「おもしろかった」「内容が良かった」との声をいただきましたし、寄稿文をくださった先生方からも「こんな立派な本に載せて頂き光栄です」などの感謝の言葉を頂戴しました。

これから社史を担当される方にアドバイスをお願いします。

 編集を担当してみて、これまでの財団活動の意義や財団のDNAを再確認し、これから自分が果たすべき役割や将来を考える良い機会になったと思います。特に今回は「とにかく読んでもらいたい」という想いから、記事内容、表紙デザイン、WEBでの公開スタイルにまでこだわりました。やはり自分たちがどういったものを作りたいか、何を伝えたいかがハッキリしていることが重要だと思います。編纂担当に指名されて仕方なく取り組むのではいいものができません。情熱がいい物を作っていくのです。何がしたいかが明確であれば、制作会社とも本音で議論でき、変な妥協をせずに済みますからね。

 もうひとつは、イメージしたものを具体化するための選択肢を予算内で見せてくれる、いいパートナーを見つけること。今回は熱意と出版文化社さんというパートナーの双方が揃ったので限られた予算の中で、しかも短い期間で満足のいくものができたと思っています。

どうもありがとうございました

■財団法人 病態代謝研究会
1969年6月、日本の生命科学研究の発展を支える目的で設立され、旧・山之内製薬株式会社(現・アステラス製薬株式会社)の支援を受けて活動。2005年4月、山之内製薬株式会社と藤沢薬品工業株式会社の合併にともない、2007年4月、藤沢薬品工業が支援していた財団法人医薬資源研究振興会が解散。病態代謝研究会はその助成事業を継承している。

http://www.astellas.com/jp/byoutai/

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