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表紙(両面)

『Drive Your Imagination デルフィス60年史』

「社員に勇気・活力・共感を与える」という明確な制作目的が
景況悪化に伴う発刊の危機をも乗り越えさせてくれました

A4判、並製本、94ページ、2009年6月発行

管理局 局次長 総務室 室長 役員室 室長  坂東 秀穂 様
総合企画局 戦略企画室  田中 典子 様
管理局 総務室  淺野 浩司 様

50年史に続き60年史を発刊された理由を教えてください。

完成社史

50年史は当社の前身、南北社の歴史を中心にまとめたものです。代表的な広告作品を整理した広告会社らしい資料に仕上がっていますが、経営史としての記述が少なかったのが反省点でした。創立50周年を迎えた1999年3月、当社はトヨタ100%資本のグループ会社になりましたが、その後の10年は社名変更、海外進出、社長交代、営業拠点拡充、業態自体の変容など激動の時代でした。そこで60年の歴史を振り返り、経営史としての記録をきちんと残したうえで、それらを踏まえて将来を展望する必要があると考えたわけです。60年史はデルフィス誕生後の10年史という一面もありました。

60年史で最も重要視された点はなんでしょうか?

完成社史

2000年1月に社名変更し、新生デルフィスの企業理念や経営ビジョンを発信しましたが、会社側からの働きかけが弱かったせいか浸透度が低く、近年は社員の帰属意識が希薄になっているという懸念がありました。そのため60年史制作にあたっては「デルフィスはどういう会社で、どこを目指しているのか」を社員に周知徹底させることが重要だと考えました。「社員に勇気・活力・共感を与えアクションを起こさせる、会社の魅力を社内外に伝え、かつ読んで楽しんでもらえる社史を作りたい」今回はそれをどのように実現するかに腐心しました。

制作決定は発刊のどのくらい前でしたか?

完成社史

2008年4月に決定した年度計画に60周年事業が盛り込まれ、管理局が主担当になることが決まりました。ただ最初はスタッフの陣容が揃わないという問題もあったため、具体的に動き出したのは発刊1年前の7月からでしたね。

どのような編纂体制で制作に臨まれましたか?

50年史は制作のほとんどの部分を社員が担いましたが、今回は限られた期間内によりクオリティの高いものを作ること考えていましたから、工数的に内製は無理だと判断しました。そこで8月に常務をトップとする部門横断的な編纂チームを立ち上げ、方向性の検討を始めるのと同時に企画・編集段階からサポートしてもらえるパートナーの選定を開始しました。

右開き・縦組みと左開き・横組みをセンターで合わせる構成がユニークですね。

右から開けば経営史を中心とした編年体の「歴史編」、左から開けば「未来編」になります。歴史の大きな流れを把握した上で、未来に向けたメッセージを発信するという狙いや発行目的の具現化を検討した結果、これが最も分かりやすく、ベストな形だと考えました。未来編にボリュームを持たせる意味もあってページ数は半々にしましたが、それぞれが孤立しないようセンターページに「60年の歩みがつながって今日があり、明日へ向かう」というメッセージでつなげる工夫をしました。

歴史編、未来編それぞれの企画意図や苦労された点を教えてください。

完成社史

歴史編は事実を正確に残すため、記述内容の確認作業が大変でしたね。昔の資料が乏しかったのでOBをはじめ多くの人にヒアリングしましたが、人によって記憶は異なるものですから何重にもチェックを施しました。苦難の時代をどうやって乗り越えたかを事実誤認なく、かつ客観的に表現し、しかも読み物として歴史の流れをつかめるようにする。この点には細心の注意を払いました。未来編の核は社長インタビューです。ここにどのようなメッセージ性を持たせるかは事前に何度も議論し、ストーリー設定してから実施しましたが読者へどう伝えるかといった部分で苦慮し、原稿完成までにはかなりの苦労を要しました。

「広告代理店の社史」という意味で特に力を入れられたポイントは?

広告代理店は人が財産、人で成り立っています。そのためできるだけ社員の顔が見える社史にしたかったので役員から新入社員まで全員が参加できる企画を考えました。ただ、ひとことメッセージなどは一方的に依頼して集まるものではありません。拒んでいる人に参加してもらえるような働きかけやコメントを間違って載せないようにチェックする作業はかなり大変でした。同時に私たちが手掛けている作品同様、見やすさ、読みやすさ、伝わりやすさにも重点を置きました。

60年史の印刷物データをイントラネット上にアップされた目的はなんでしょうか?

当初は社史をデジタルブック化してホームページに掲載し、情報発信ツールのひとつとして活用したいと考えましたが、数多くの作品を掲載している関係で権利問題が絡むためイントラネットに切り替えました。これは日頃思いついたときに社史を見ることにより、そこに込められた熱い思いを想起してもらうことを狙ったものです。

以上のほかに、制作にあたって苦労されたことを教えてください。

完成社史

発刊を決めた後に経済環境が激変したこともあり、発刊中止や規模縮小の意見も少なからずありました。実際、当初予定していた周年事業が紅白饅頭だけとなるなか、役員会で発行目的や進捗状況を繰り返し説明し、「ピンチをチャンスに変えるべきだ」と説得して何とか乗り切ったのです。
もうひとつ苦労したのはスケジュール調整ですね。当初、社長と代表社員へのインタビューは同時進行の予定でしたが、社長メッセージの内容を踏まえて社員を選ばなければ目的が達せられないと考えたためにかなり遅れ、これを巻き返すため追い込み作業は必死でした。

配布先と配布後の反響をお聞かせください。

グループ各社と取引先、協力会社、社員、OBに配布しました。お客様の中には当社のことを理解しておられるようでご存知ない部分もあるようです。その意味でこれまでの歩みと今後の展望が分かる60年史は営業ツールとして有効だという評価を得ています。読み物として工夫したかいもあって「分かりやすい」という声も多かったですね。

社史の今後の活用方法を教えてください。

社員に対しては「帰属意識の向上、目指すベクトルの共有化による生産性向上、収益拡大等」につながるツールとして日々活用してもらいたいと考えています。そのため発刊の約2カ月後、社史の発行目的、効果、企画構成、制作概要・体制、舞台裏の苦労話とともに活用方法をまとめた資料を作成し、マネージャー向けの会議で配布しました。グループ会社、取引先に対しては営業ツールとして役立てていきたいと思っています。

これから社史・記念誌を担当される方にアドバイスがありましたらお願いします。

今回、発行目的や編集方針を決める最初の段階から、文章チェック、デザインなどに至るあらゆる局面でかなり激しい意見の応酬がありました。それでも社員に勇気・活力・共感を与える社史を作りたいという共通意識、制作者としてのパッションがあったため完遂できたのです。当社が部門横断的にひとつのことを成し遂げた初めての例といってもいいかもしれません。やはり編纂メンバーの入念なディスカッションは制作の鍵になると思います。早い段階で上下の隔たりなく意見を戦わせ、価値観の共有化を図るのが大切でしょう。社員を巻き込んでいくことも大事で、そのための説得力も必要です。もうひとつ、最終的に満足できるものを仕上げるためには、少なくとも1年以上の期間が必要だと思いますね。

どうもありがとうございました

■株式会社デルフィス
トヨタグループのハウスエージェンシー。トヨタ自動車のマーケティング資産をベースに、マーケティングのあらゆる領域で新しい時代に対応する戦略、手法を開発し、提供している。

http://www.delphys.co.jp/

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