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表紙

『30年のあゆみ オーシャン東九フェリー株式会社』

人の記憶を記録に残すには退職で情報が散逸してしまう30年がリミット
制作決定時に役員会でコンセンサスがとれていたことが、スムーズに作業を進められた何よりの鍵でした。

B5判、72ページ、並製本 2006年2月発行

オーシャン東九フェリー株式会社 常務取締役 吉澤 正雄 様
総務経理部 部長 徳橋 和巳 様

今回の記念誌制作を決定されたのは、発刊のどのくらい前だったのでしょうか?

1年7か月前の2004年7月、常勤役員会議で決まりました。それ以前に会社の歴史を年表の形に整理しておこうという発想がまずあり、発行を決めた時点で年表自体は出来上がっていたのですが、これだけでは寂しいと考えて重要項目を記事にまとめることになりました。

どのような制作体制で臨まれましたか?

年表をブラッシュアップするイメージでしたので、本社の総務経理部門の2名が事務局となってまずはスタートしました。制作過程で必要に応じて体制強化しようと考えていましたが、役員会議で方向性は固まっており、全体構成や執筆分担も決まっていましたので、結果として特に編集委員会を作らなくても支障なく進めることができました。

30周年を節目に記念誌を発刊された意図は?

主な出来事、ポイントとなる事象は役員会議事録で追えましたが、その背景や詳しい経過内容、エピソードなどは当時の担当者個人の記憶に残っているだけで資料としてまとまったものがない状況でした。30周年をひとつの区切りとしたのは、このタイミングを逃すとそうした会社の歴史を知っている人が退社し、情報が散逸してしまう可能性が出てくるからです。

企画にあたって特に重視された点はどこでしょうか?

完成社史

当社もこの30年間に山あり谷ありの厳しい局面を必死に乗り越えてきた歴史があります。それぞれの時点で経営側がどう判断し、どんな決断をして苦難を乗り越え今日に至ったか、コスト削減ひとつにしてもどういう発想の下に決断したのか。船名ひとつつけるにしても運行時間を変更するにしても、いかに時代のニーズに即したサービスを提供するかを考えた上で決定してきました。そうした激動の時代の歴史を若い世代の人々にきちんと理解してもらいたいという思いがあり、それを記念誌でうまく表現できたらと考えました。

ただその「歴史編」が堅苦しい内容になるかもしれませんでしたので、どうすれば社員が身近に感じ、手にとってくれるかを考え、できるだけ全員参加型の企画を盛り込むことを目指しました。それが口絵の職場紹介であり、巻末の社員紹介です。

原稿は社内で分担執筆されたそうですが、まとめるのにご苦労はありませんでしたか?

スタート時点から役員間で基本認識は一致しており、担当役員が各分野の記事を分担して書くという方針も決まっていたので、各部署とも協力的で問題はありませんでした。ただ、どうしても人それぞれ、文章の組み立て方、表現方法、内容の軽重(詳しさ)が異なるため、全体のトーンを合わせるのが大変でした。専門家が書く文章なので省略されたり分かりにくい表現だったりしたので、プロのライターにリライトを依頼したわけです。個々の執筆者は自分が担当してきた分野だけに思い入れもあり、リライトされた原稿が今度は「ニュアンスが伝わってない」という声も出て執筆者の意図を反映させる調整に少々苦労しました。時間は少しかかりましたが、結果的にはうまく仕上がったと思っています。

各章の最初に年表を掲載した狙いは?

完成社史

元々年表ありきのスタートで、他社史でも同スタイルを採られているケースがありましたので間違っていないと判断しました。年表は全体の流れを一目で理解できるメリットがあります。全体を把握した上でポイントになる記事を読むといったいろんな使い方ができるのもこのスタイルにした理由です。

ほかに制作にあたって苦労されたことはなんでしょうか?

本格的な社史をつくることを考えたら経営的な資料などがないことがネックになったかもしれませんが、もともとあるものを最大限に利用し、30年分の歩みをまとめておくスタンスでしたから、その点での苦労はありませんでした。経営数値など最低限のデータは蓄積してあり、巻末資料をつくるのにも問題はありませんでしたし、役員会議事録が残っていましたから、年代の検証もできました。
社員紹介は当初集合写真を撮る予定でしたが、船上勤務は交替制で全員が揃うことがないため、発想を転換して個人写真の集合体にしました。皆が出してくれるかどうか懸念はありましたが、「自分を出せるもの、自分の好きなもの」とテーマを固定しなかったのが奏功し、思ったよりもちゃんと集まりました。

配布後の社内外の反響をお聞かせ下さい。

完成社史

特に「社員紹介」が好評です。陸上と船の間で連絡を取りあう際に、これまでは顔と名前が一致しないことが多かったのですが、この企画で相手の顔が分かるようになりました。
今回、一部のお取引先やお世話になっているところにもお配りしたのですが、当社が苦労した時代にどう対処してきたかといったことを初めてお知りになった方々から、「当社の社員にもこういう発想を取り入れさせたいから教材に使わせてもらいたい」といった話もあると聞いております。

制作目的のひとつに「社員研修での活用」を挙げておられましたが、実際に役立てておられますか?

完成社史

今の段階ではまだ集合研修という形では利用しておりません。当面は日々の業務の中で1年かかってでも必要なときに自発的に読んで理解されればと考えています。内容が古くなって使い物にならなくなることもないので、今後は何かの機会に集合研修の一環で使用してもいいかとも思っています。

これから社史を制作される方々にアドバイスがありましたら、お願いいたします。

役員会で基本的な方針についてのコンセンサスが取れていましたから進行もスムーズでした。方向性がきちんと決まっていたのが何よりやりやすかった要因ですね。やはり最初にコンセンサスをしっかりとっておくのが大切で、実際に作業を開始してプロにアドバイスをもらう時にも効率的だと思います。

制作会社さんからは記念誌を作る計画がない段階からアプローチをいただいていて、つくると決めたときにすぐに社史のプロの意見を聞くことができたことも意義があったと思っています。

反省する点があるとしたら、本当の全員参加という意味で若い人たちにも企画に絡んで参加してもらう過程を経たほうが良かったかもしれません。

ありがとうございました

■オーシャン東九フェリー株式会社 プロフィール

省エネルギー、環境保全、安全性を重視しカーフェリーを運航する、貨物と旅客の総合物流サービス会社です。

http://www.otf.jp/

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