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表紙

『東放制作三十年の歩み』

創る喜びを感じながら取り組み結果にも大満足

A4判96頁、並製本カバー付き、2001年12月発行

株式会社東放制作 業務部専任部長 土岐憲二 様

いま残さなければ風化する!

発行のおよそ2年前、99年の晩秋に1通のDMが手元に届いた。さっそく発送元の出版社に連絡をとり、社史づくりのイロハを説明してもらった。

そこで強調されたのは、制作時間は思っている以上にかかるので2~3年はみた方が無難であるということだった。仮に制作期間を2年とすると、決断のギリギリの時期。直ちに2001年10月を目標に社史づくりを決定し、具体的な作業に入った。

2001年1月に創立30周年記念事業実行委員に任命された私は、30周年ではぜひ社史をつくりたいと考えていた。10周年のときは『東放制作10年の歩み』をつくったが、20周年では現状を記録したビデオしかなかった。会社設立の2年後に入社した私はその間の社会環境の変化、技術革新のスピードを実感しており、この時期に創業時の理念や先輩たちの気概、技術の変遷を整理・記録しなければ、それらは風化してしまうと考えたのである。

手探り状態での作業開始

テレビニュースや番組作りには自信のある我々も、社史はどのような手順でつくればいいのかまったく分からない。出版社の人に全体のスケジュールや手順を何度も聞いたが、「ああ、そんなものか」と理屈として理解するだけで、実際にはピンときてなかった。

全体の構成を、口絵、30年の歩み、30年間のクロニクル、資料編と決めた。そこでまず年代別の記録を整理することにしたが、その効率的なやり方が分からない。出版社に「年表台帳」の作り方をアドバイスされながら始めたが、彼らのテキパキとした年代別、部署別の整理の進め方をみて、「さすがにプロ、餅は餅屋だ…」と、思わず感心してしまった。実は、原稿も社内で適当に書こうと考えていた。しかし専念しないと無理らしいということ、どこまで客観的に記述できるか、他部署からの注文やクレーム等に精神的にどこまで耐えられるかといったことを考え、最終的に外部のプロに依頼した。

結局クロニクルを中心とした記録の整理に一年ほどかかってしまった。そのとき大いに役立ったのが『10年の歩み』と、昭和53年創刊の社内報『さなだむし』『いふメディア』だった。

本文はそれらを基に関係者への取材で収録できたが、困ったのは写真である。総務に残っていたのは慰安旅行や社内行事のものばかりだったので、社内報や職制を通じて募集した。仕事のビデオ撮影とは別にスチール写真を大量に撮っていた者からの提供を受けて、ロケ風景など貴重な写真が多数集まったのはラッキーだった。社会のできごとは親会社のTBSに無償提供を快諾していただき、100点ほど使用することができて非常に助かった。

創作意欲が燃えた口絵の撮影

完成社史

できあがると、見返しに掲載した創設以来の在籍者168人の写真が評判になった。入社時の履歴書の写真を使ったが、顔付きに変化が起きている人も多く「これは誰だ」と話題を独占した。

苦心したのは口絵写真である。今や思い出の品となってしまったが、初期の編集では必需品だった和ばさみとフィルムを組み合わせたイメージ写真がなかなか思い通りにできてこなかったからだ。結局は自分たちで撮ることにしたが、撮るたびにアイデアが加わり、みな昔を思い出して燃え上がった。やはりものづくりに携わっている者ばかりだから、糸口をつかむとすっかりその気になって創る楽しさを堪能した。

日程や進行管理など、親身になって手伝ってくださったいいパートナーに出会い、結果にも大いに満足している。もし、2年前にDMを目にすることがなければ手遅れになっていただろうから、いろんな幸運に恵まれたと思う。

ありがとうございました

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