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表紙

『大阪砕石工業所70年史』

社史づくりは会社の歴史をどうとらえるかという時代区分が肝要と考え、時間をかけて多方面の資料をもとに綿密に構成を検討しました。

B5判256ページ、上製本 2004年12月発行

株式会社大阪砕石工業所 監査役 湯川徹 様

以前に45年史を刊行されていますね。

45年史「石と共に」は前社長が自ら執筆されました。創業者が亡くなった後、その日記から改めて様々な苦労を知り、会社が発展期にさしかかった時点で創業からの記録を残しておかなければとの思いから、前社長自ら執筆に当たられたもので、そのタイミングが45周年でした。この45年史は、砕石業界にとって初めての本格的な社史として、単なる一企業の記録であることを超えて、業界史としても大変高く評価されました。

今回、70周年というタイミングで発刊された理由は何ですか?

当社の45年史の後、同業他社も社史を刊行するようになり、業界記録が充実してきました。当社も発展期の25年を含めた続「石と共に」を刊行すべき時期が来ていると考えていましたが、創業70年に当たる平成16年に刊行しようと社長が決意されました。

2度目の社史発刊に当たっては、45年史との違いを意識されましたか?

完成社史

45年史には前社長の個人的な思いも強く反映されています。また、当然のことながら、時代の視点が変わっていますから、70年史では、全体により客観的な記述にすることを心掛け、45年史の記述を見直した部分もありました。

制作期間はどのくらいですか?

制作決定から2年で刊行しました。社長を委員長とする編集委員会を立ち上げ、委員は各本部の代表のほか、事務局として私と総務課の2名が担当しました。

私どもが参加させていただいのは、編集委員会が立ち上がってから半年後くらいでしたね。

完成社史

そうです。始めに「続25年」の章立てをどうするかを検討するために、年表を作って項目を整理しました。それから制作会社が入り、プロの社史ライターと編集担当者も一緒になって、膨大な業界誌なども読み込み、章立てを真剣に検討していきました。

早い段階から、社史本文の構成を検討されてきたのですね。

社史づくりでは、まずその時代時代に会社が社会にどのように貢献してきたかということを整理することが肝要であると考えたからです。特に当社の場合、戦前の創業ですから、45年史の記述では第二次世界大戦があり、戦後の復興期があり、高度成長期がありと変化に富んでおり、時代区分も明快でした。今回はそれに続く25年をどう区分するかがポイントでした。

業界誌や社報をもとに年表を作り、会社の業績、背景となる社会・経済情勢、技術の発展、社会のニーズ、業界動向など多角的な観点から、時代区分を検討していきました。制作会社の担当者、社史ライターも編集委員会に一緒に参画して、いろいろな意見をいただき、委員会で最終的な構成を決めていきました。

本当に熱心に取り組んでいただき、当社もやりがいを感じました。写真や図表が豊富だったことも印象に残りましたが。

完成社史

45年史に使った写真がアルバムに残っていましたので、古い時代の写真には苦労しませんでした。むしろ、昭和60年代の写真に苦しみまして、OBから募ったりもしましたが、印刷物や記念のテレホンカードなどもビジュアル要素のうちと考えて積極的に取り込んでいくことで補いました。

ほかには、どんなことに腐心されましたか?

社長の方針を受けて、できるだけ多くの社員の名前を登場させるようにしました。記事としてのバランスもありますので、それなりの苦心はありましたが、一方では「社員の活躍が社史そのものである」との認識もあり、これで良かったと思っています。

発刊後の反響はいかがでした。

完成社史

事務局の担当として心配していたことの一つに、発刊後に多くの間違いが指摘されて訂正表が必要になることでしたが、これはお陰様でありませんでした。社外の反響としては、業界紙の紹介で「会社の歴史が丁寧にたどられている」という評価をいただいたほか、現在も図書館や学校からの寄贈依頼を多数受けています。

最後に、これから社史を作られるご担当者の方にアドバイスがあればお願いします。

まず第一に、事務局である自分自身が社史づくりを楽しむということですね。それから社内外のパートナーとの協力関係を円滑にするということですが、これもやはり自分自身が楽しめていないと難しいと思います。

ありがとうございました

■株式会社大阪砕石工業所 プロフィール

70余年の歴史を刻む砕石業界のパイオニア。「砕石」をはじめ、「ダム・発電所工事」「土木工事」などの分野で活躍するプロ集団です。

http://www.osakasaiseki.co.jp/

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