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表紙

『尽道楽生 太陽シールパック株式会社50年史/糟谷圭増社長を偲ぶ記』

社史を通じて、先人が苦労して築き上げた社風、遺伝子を継承してほしい。だから、企画に知恵を絞るだけでなく、社史発表会や勉強会など、社員が社史を読む機会もつくりました。

A4判104頁/上製本 + A4判46頁/並製本 2004年8月発行

太陽シールパック株式会社 管理本部次長 輪宝由一 様

先行して20年史をまとめておられますが、50年史の編纂にあたって特に意識されたことはありますか。

完成社史

20年史はエピソードをたくさん盛り込んで小説風のタッチで書かれました。当時としてはユニークで、読みやすい、面白いと、大きな反響をいただいたそうです。

しかし、それから時間が経ち、読者の多くが活字嫌いと言われる世代になってきています。そこで、今回は全く違うタイプの企画で、社史は読まれないものという概念を打破しようと考えました。

具体的には、まず目を惹くように、オールカラーにして写真を多用することを心がけました。もうひとつは、社員が汗した記録として、エピソードをできる限り入れることにしましたが、やみくもに本文に取り入れるのではなく、読みやすさも考慮してコラムを多用することで対応しました。

口絵に全社員の写真を掲載されていますが、役員紹介の前に掲載というのはユニークですね。

完成社史

お客様には、「さすが社員を大切にされている太陽さん、役員より社員が前にきている」とお褒めをいただきました。

しかし、掲載順は実は悩んだところです。役員紹介と社員紹介の順番だけでなく、社員の掲載順も、役職や年齢、工場別等、考えれば考えるほど煩雑になって、社史ができあがってから、なぜこの順番なのか質問があったとき、きちんと説明するのは難しい。それなら、いっそランダムに掲載したほうがあとで説明がつくしユニークではないかと思ったんです。そのほうが100人規模の会社の和気あいあいとした雰囲気がでてよいのではないかと。

本当にみなさん自然な姿で写っておられ、いい雰囲気ですね。

完成社史

それは意識したんです。各自持ち寄りにしたら、証明書写真みたいなのが揃ってしまうし、プロに撮らせたら表情が硬くなってしまいます。

そこで工場ごとに分担して社員に撮らせました。大方の社員は、何に掲載されるかも知らずに撮られたと思います。なかにはうまく写らなくて撮り直した分も出ましたけれど、結果は大正解で、みんな普段のままのいい表情で、うちの社風がよく出ています。

前社長の追悼集を別冊として作られ、2分冊とされていますね。

完成社史

追悼集を付けたバージョンは社内とごく親しいお取引先だけに配りました。前社長が亡くなったのは1990年のことで、50年史発刊の14年も前ですが、社長はその頃から、50年史をまとめる時に記録に残すことを意図されて、関係の深かった方々に前社長の思い出を綴ってもらって、大切に保管してこられたんです。

当社の礎を築いたのは創業社長で、そのことは20年史に詳述されていますが、それを引き継いだ前社長は生産体制を短期間のうちに一気に拡大され、当社の市場を全国規模に拡げられた方です。なぜそのようなことが可能であったのか?その答のひとつが、前社長の人柄でした。その人望の厚さ、人徳を知っていただければ、当社が半世紀ものあいだ発展し続けてこられた理由がわかるはずです。その意味でも、この別冊を社史と一緒に発刊する意義があったのではないかと思います。

50周年の記念行事の一環として、社史の発表会を行われたとうかがいましたが。

毎年行う経営方針発表会と併せて、社史発表会を行いました。先人が苦労して築き上げた歴史、社風、遺伝子を継承すべく知恵を絞って作り上げる社史を、配布して、はい終りでは、もったいない。そこで、一度は社員が目を通す機会を何らかの形でつくろうとしたわけです。

発表会は社史の計画当初からの企画だったのですか。

社史の編纂自体は、発刊の5年前、第45期に決まりましたが、記念行事も含めた計画が決定したのは第48期です。それから社史編纂及び記念行事企画プロジェクトが発足し、記念行事と社史を一体化するアイデアを練り上げました。最終的に企画が固まったのは発刊の半年くらい前だったと思います。

発表会では社史ビデオも上映されたそうですね。

完成社史

最初はスライドの映写を前に、関係者が語るスタイルを考えましたが、社史にも写真を多用するので、それでは社史と同じことではないかということになりました。そこで、前社長の経営方針発表会でのビデオ映像もあるのだから、それを活用して、関係者のインタビューも入れて、社史ビデオにしようと考えたわけです。

社史ビデオの評判はいかがでしたか。

完成社史

映像というのは、やはりインパクトがありますね。前社長の在りし日の姿が映し出された時は、本当に会場がしんみりした雰囲気になって、とても一体感が感じられました。

それから、企画当初はそこまで考えなかったのですが、その後も会社案内用のビデオとしていろいろな場面で活用しています。新しいお取引先に当社をご理解いただくのに便利ですし、新入社員研修や地元高校生の見学会などでも見せています。朝日新聞(和歌山県版)の「和歌山の元気企業」という連載で取材を申し込まれたときにも、最初にこのビデオを見ていただきました。

社史ビデオというのは、会社の歴史から説いて会社を紹介していくという形が、社風や企業遺伝子を理解していただくのに自然な形なので、会社案内用としても利用価値が高いと思いました。

社史の勉強会も実施されているそうですが、どのような内容ですか。

毎週の勉強会で輪読しています。この勉強会は1回10分程度で、本来はその期の経営方針を輪読する勉強会なのですが、経営方針はそれほど長いものではありませんので、1年を通して行うと3~4回転してしまいます。そこで、経営方針のあとを社史の輪読にあてたわけです。これも社長の提案で、必ず一読はしてほしいとの強い信念の表れだと思います。

社史や社史ビデオの社外の評判はいかがでしたか。

社外では、一つの製品で50年の歴史を刻んできたことへの驚きの声が多かったように思います。その意味で、創業半世紀の重みは、何より当社の信用につながったのではないかと思います。新規ユーザー開拓にも強力なツールになるのではないでしょうか。

また、各所から「立派なものおつくりになられましたね」とお褒めの言葉を頂戴し、図書館に寄贈してはどうかとのアドバイスもいただきました。実際に、求められて寄贈した図書館もあります。

これから社史の編纂に携わる方に、経験者としてアドバイスがあればお聞かせ下さい。

やるしかない、悩んでいてもしようがない、行動あるのみ、というのが第一でしょうか。みんなの意見も大切ですが、それに左右されるより、むしろみんなを巻き込んで、ある程度強引に進めることも大事です。でなければ、これだけ長期のプロジェクトをスムーズに進めることはできません。

ありがとうございました

■太陽シールパック プロフィール

高機能・高品質な包装システムを提案する物流サポート企業です。

http://www.taiyosealpack.co.jp/

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