こぼれ話 1粒で2度おいしい!?

1粒で2度おいしい!?

■社史と記念誌、白と黒の2分冊

ケースの中に白と黒の薄手の本がワンセットで収まった、ちょっと目を引く周年記念誌が出来上がりました。  ケースから本を引き出すと、白表紙に金、黒表紙に銀のタイトルという、シンプルでしゃれたデザインが目を引きます。しかし、この統一感のある印象は、ページを開くとガラリと変わります。

白い表紙の本は社史で、中はモノクロ刷り。文章が中心で、写真やイラストも多用されていますが、いずれも機械や技術の説明・記録にかかわるもので、内容も固有技術の説明に踏み込んだ専門的なものになっています。

一方、黒い表紙の記念誌を開くと、いきなり目に飛び込んでくるのは、メイン商品をキャラクター化したマンガチックなカラーイラストです。そのページにある発刊の挨拶にいわく「社歴の浅い私たちならではの視点で、会社の"いま"をわかりやすくまとめたつもりです。その案内役として、(中略)5人組のキャラクターを誕生させました」こちらは、若い社員の方々がチームを組んで企画の立案から挑んだ社員総登場、遊び心たっぷりの周年記念誌です。

この視覚的な印象のインパクトと、それぞれの内容の水準が高いことから、この記念誌は発刊早々、当社に社史見本を見に来られたお客様に人気の高い1点となりました。

しかし、社史と記念誌の2分冊というこの企画は、当初から構想されたものではありません。

■若手の勢いを活かした英断

機械メーカーC社が記念誌の制作に踏み切られたきっかけは、前社長が自ら執筆された社史の原稿でした。これを編集して発刊するにあたって、担当の総務部長が考えられたのが、編集プロセスへの若手社員の参画でした。それが社員教育にも通じ、また、彼らの存在が全社員に読んでもらえる社史とするためのアイデアの源泉となるとも考えられたからです。

ところが、専門的で堅い内容の社史原稿は、集まった若手社員の反発を買ってしまいました。

普通なら暗礁に乗り上げかねないこの状況下で、総務部長は決断します。「この若手の勢いを記念誌に生かそう」。若手社員の反発を「周年記念出版をするなら、もっと広く読まれて、社内の活性化につながるものにしたい」という前向きのものと見て取ったからでした。

■2チーム制で燃えた若手社員

こうして社史は2分冊となり、社史編纂委員会も2チームに分かれました。総務部は単独で社史編纂に臨まねばならなくなりましたが、対抗意識を燃やした若手チームの記念誌制作は文字通り火花を散らす勢いで、次々とアイデアが噴出。当社も、この雰囲気を活かすため、それぞれに一人ずつ編集担当者を付けて臨みました。

こうして社員が社員のために作るとこうなる、という見本のような楽しい記念誌が完成しました。その一方で、このソフトな記念誌とセットだからこそ、社史のほうは思い切り専門的でハードな内容にできたといえます。

ちなみに、2冊セット記念誌は社内に、白表紙の社史は単独で社外にも配るという使い分けがされています。

C社の周年記念誌は、その内容・体裁でも、また、発刊自体と編纂プロセスという2つの段階で社内活性化を果たしたという意味でも、1粒で2度おいしかった周年記念出版の成功例ではないかと思います。
(企画営業担当 畑 嘉広)

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