こぼれ話 中心戦力は若手スタッフ

中心戦力は若手スタッフ

社史制作で活躍するのは必ずしもベテラン社員やOBとは限らない。コンクリート製品メーカーT社は、若い戦力の起用に積極的な社風で、社史編纂委員会(社長以下6名で構成)でも、年表台帳の作成から取材・撮影の手配まで実質的な編纂作業を担ったのは男性1名、女性2名、いずれも20代の若いスタッフだった。

T社の場合、営業報告書などの客観的データに乏しく、年表台帳のベースには会長さんの自伝を使ったものの、主に記憶に頼ったものだけに不安はあった。案の定、取材を進めるにつれて物事の発生日時に異論が続出したが、それを同定し、事実関係を再整理するためにOBやベテラン社員の間を尋ね回り、大車輪の活躍をしてくれたのが、彼ら若手スタッフだった。その機動力の裏打ちとして、社史関連に限ったものではあったが、彼らへ然るべき権限委譲がなされていたのも印象的だった。

もちろん若さゆえの試行錯誤もあった。例えば1次原稿のチェックでは、互いに矛盾する訂正指示が続出。尋ねてみると「チェックされた方、皆さんの意見を入れたもので……あの、こういう場合はどうすればいいんですか?」。この時は原稿を前に膝つきあわせ対策を検討、社内での処理手順まで相談に乗ることになった。

そんな苦労を共にした女性スタッフの1人が結婚退職されることを知ったのは完成慰労会の席上だった。初体験の連続だったろう社史編纂の苦労は、これからの人生でどう活きるのだろう……そんな想いにとらわれながら乾杯のグラスを上げたのを覚えている。 (吉田)

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