こぼれ話 産みの苦しみ

産みの苦しみ

編集作業の最終関門ともいえるのが「青焼き校正色校正」。ここをクリアすれば、あとは印刷・製本所にお任せして、本となる日を待つばかり。編集者にもしばし安息の時が訪れる。

青焼きは、文字・写真などの完全データをフィルム製版して感光紙に焼き付けたもので、主に写真やアミ濃度、台割などをチェックするためのもの。ゲラの校正とは違い、文字校正はしないのが原則とされる。同様に色校正は口絵などカラー印刷部分の製版の仕上がりをチェックする。

この最終局面を迎えると、編集者はもとより、各社の担当者にプレッシャーが加わり、気合い、目付きともに変わってくる。「文字校正はしない」の原則はどこへやら、青焼き校正紙にはみるみる赤字が加わり、付箋が貼られていく。「間違いでしたら直しますヨー」と編集者も観念して苦笑い。

色校正では、元の写真原稿の中身以上の注文がつくことも多い。「役員の顔の色は健康色に」「空はスカイブルー、木の葉は緑に」「余計なもの(電線、廃棄物、壁や床の汚れなど)は消して」等々。

かくして修正の度合いによっては、フィルムの作り直しとなり、予定外の手間とコストがかかることになる。編集者がいちばんヒヤヒヤする場面。

再出力されたフィルムは、最終チェック(検版)を経てようやく印刷へと進むわけだが、担当責任者として、最後まで見届けたいのは人情。検版に立ち会い、そのあと印刷工場の見学まで果たされた特例もありました。 (中原)

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