社内と社外で分担するケース

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『50年史』(B5判上製、168頁、平成12年6月発行)のケース

菓子メーカーA社

二人三脚の呼吸をぴったりと合わせる

お互いの役割分担をはっきりさせる

出版社の編集者Xさんは、A社の編集責任者Bさんから「社内で原稿を書くことになった。どのように進めればいいだろうか」という相談を受けました。Xさんは、Bさんに対して一般的な社史制作の手順をきめ細かく説明し、Bさんがどの範囲までできるかということを話し合いました。その上でお互いの役割をはっきりさせ、どのような社史がいいか二人で詰めることにしました。

手順を踏んで構成を固める

BさんはXさんに、お菓子は時代と共に大きく変遷しているからその動きを中心にして会社の歴史を紹介し、あわせて社会の息吹を感じさせるものにしたいという意向を伝えました。

そこでXさんは、A社に現存する資料にはどんなものがあるかをBさんに調べてもらうことにし、スケジュール表、年表台帳、資料一覧例等を提供しました。その結果、A社には商品のサンプルや写真、広告関係の資料が数多くあることがわかりました。そこで、Xさんはそのように目に見えるものを中心にして時系列に構成していけば、A社の意向は十分に満たすことができるとBさんに提言しました。Bさんも、その方向で全体を構成することにし、まず出来事や資料を整理し、そのうえで構成案を作ることにしました。

社内で執筆、社外でリライト

構成案に基づいて、Bさんは社内の各部門に人選と執筆を依頼しました。しかし、あがってきた原稿は期待したものと大きくずれていました。それを見たXさんは、ライターを伴ってほとんど毎週のようにA社を訪問し、提出された原稿に基づいてヒアリングをすることにしました。そのようなキャッチボールを何度も繰り返して、リライト原稿は仕上がりました。

実質的には、リライトに相当な時間がかかりましたが、内容としては会社とお菓子の歴史が一目でわかる素晴らしいものに仕上がりました。口絵で扱った商品写真と広告や販促ツールの推移を眺めるだけでも、楽しい思い出がよみがえるといって大好評でした。

原稿作成を社内だけで担当するケース、全て社外にまかせるケースと、各社さまざまな体制で進められますが、いずれにしても、明確なコンセプトを持った依頼側と、その意向を十分に理解し、かつ適切なアドバイスができる出版社の協力が不可欠といえます。原稿制作は編集作業の中でも重要なポイントですから、お困りになった時は、社外スタッフに相談されることをお勧めします。

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