社内で執筆のケース

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『技術でひらく未来――ジオスター30年の歩み』(B5判並製、184頁、平成12年5月発行)のケース

ジオスター株式会社編集委員(事務局) 元経営管理部編集事務局青田俊彦様

最初に「仮目次を作る

いろいろな経緯があって、社内で30年史の原稿をまとめることになった時に考えたことは、自分一人では何もできないのだから、どうすればOBや社内各部門の方々の協力を仰ぐことができるか…ということでした。
そこで出版社の方と相談しながら、最初に「仮目次」を作って全体が見通せるようにしました。というのは、全体を見ながら資料の提供や取材依頼、それに執筆依頼をしないとロスばかり出て肝心な情報が収集できないからです。そのため出版社からは出来事を時代別、項目別に区分するための年表台帳やスケジュール表、資料編の必要項目一覧などを提供していただき、親身なアドバイスを受けながら少しずつ全体構成を固めていきました。

取材先の選定に工夫

仮目次ができた時点で本文は経営編、技術編、資料編の3つに大別する方針を固め、社長や経営幹部の了解をとりました。これで、後は実際の作業をいかに効率よく進めるかという勝負になったわけです。 社史の場合、OBを外して考えることはできません。私はかつてOB名簿の作成に関わっていたためにその人たちをよく存じ上げており、それがこの時には大いに役立ちました。

個人の顔や経歴を思い浮かべながら、どの人に何を頼めばいいかを考えました。同時に、「Aさんにはこのことをお願いしています」「Bさんには何を依頼しました」といったことをそれとなく電話で言ったり、依頼状に書いたりしてお互いの良い意味での競争心を煽ったりもしました。幸い、面識があるということでほとんどのOBが気持ちよく協力してくださり、社史づくりの大きなポイントになりました。

また社内的には、原稿執筆依頼はある面では資料収集の一環と割り切ってお願いしました。いくら「原稿執筆のてびき」を添えて依頼しても、内容、表現、分量等はバラバラでしたから、それは私の基準に従ってすべて書き直しました。人によっては原形をとどめないこともあり、嫌みを言われたりしましたが、それはやむを得ないことだと割り切りました。 それから、技術に関しては技術関係部署の方にOBの技術座談会、現役社員のフリートーキングなどを開いてもらい、それをテープにとって重要事項を探りました。ただし、個々の技術要素や工法等の解説については技術部に全面的にお願いしました。

常にノートパソコンを持ち歩く
『技術でひらく未来――ジオスター30年の歩み』(B5判並製、184頁、平成12年5月発行)のケース

資料提供や執筆、取材など振り返ってみると、膨大な数の依頼文書を作りましたが、これについてはパソコン様々です。おかげで、相手に合わせたかなりきめ細かい依頼文書を作れたと思います。とにかく四六時中ノートパソコンを持ち歩き、喫茶店にいる時でも思いついたことがあったらすぐにメモしました。それは原稿の仕上げ段階でも同じで、最後は時間と戦いながら常時稼働、孤軍奮闘という有様でした。

しかし考えてみれば、そのように苦心しながらも無事に脱稿できたのは、皆さんの協力があったればこそです。多くの方が意気に感じて力を貸してくださり、ほんとうに助かりました。本気で頼めば、そんなに冷たい人はいませんでした。何かを成し遂げるには、人間関係がいかに重要かということを定年近くになって痛感させられた次第です。そして、そういったものはマニュアルにはないということもつくづく実感しました。

こちらで掲載しております役職・所属は掲載当時のものです。現在の役職等とは異なる場合がございます。

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