こぼれ話 悩み多き(?)長音符号

悩み多き(?)長音符号

あなたは、Computer をどうカタカナ表記しておられるだろうか。今やおそらく「コンピュータ」と語尾の長音符号を省略される方が多数派ではないだろうか。

しかし、新聞は朝日も、読売も、日経も「コンピューター」である。出版社の用字用語基準も、技術書系の出版社を除けば「ター」派が大勢を占める。これは文部省(当時)の国語審議会答申に基づく「外来語の表記」という内閣告示・訓令(1991 年)が「長音符号付き」を原則としているからだ。

では何故、当節は省略派が主流なのか。同じ文部科学省関係でも、学術用語を決めるのは学術審議会。この学術用語の世界では、工学系は省略派だ。JIS 用語は原則的にその分野の学術用語に準拠する。各分野のメーカーの社内基準も当然、右へならえとなる。これが情報処理機器、情報処理産業の台頭と共に、工学系の用語から省略形が普及し始めた背景である。

当社では、朝日新聞の用字用語を標準に顧客の事情に応じてカスタマイズしているが、機器メーカーや技術系商社の社史では、やはりこの問題は一筋縄ではいかない。JIS に基づく社内基準を適用しても、学術用語準拠だから一般用語まで配慮されていない。そこで、「ユーザ」は違和感がある、「センタ」が原則だが、自社の研究施設の名称は「技術センター」だ…等々、悩みは尽きない。社内 基準を適用するとNo. が「ナンバ」となると知った社史担当者の一言が忘れられない。『大阪の「難波」を想起しちゃって、なんか異和感あるんだよね』(T・Y)

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