社史で使われる関連用語集

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企画で使う用語

社史(年史)
企業の節目に過去の事跡を記録し、将来の経営に資する。構成はいろいろあるが、過去(歴史)・現在・未来について、現時点での価値評価を発行主体が行う。
記念誌
企業・団体の節目を記念して発刊される場合もあるが、記念誌の場合には対象は節目でないこともある。たとえば、建築物を記念するとか、社長交代、株式公開など。
自分史(自叙伝)
自分の足跡を時系列に、一人称で自分自身が書き表す。
回想録
自分の人生のなかで特に書いておきたいことを、興味を誘いながら書いていく。多少ファクションが混ざることもある。
伝記
第三者がある人物の生き方、哲学、行動を分析し、その時代に果たした役割や影響を叙述する。書き手の価値判断が付加される。
追想録(追悼集)
個人を偲び、関係者が当時の思い出を語り発行主体となる。遺稿集は、故人の残されたものを関係者が発行する。
CD-ROM
コンパクトディスク−リード・オンリー・メモリーのこと。
光学式デジタルメディアに文字、音声信号が収録され、写真フィルムの像を独自の圧縮方式で信号化して収録できる。記録できるCDとしてCD-Rがある。
ホームページ
ネットワーク上に離散するさまざまな情報を、誰もがアクセスできる情報として公開するためのメカニズム=WWW(ワールド・ワイド・ウェブ)を通して個人あるいは団体が提供する情報ページ。

編纂スタッフ

(社史)編纂(編集)委員(会)
社史の全体(1.企画の立案・決定、2.資料の収集・整理の承認と指示、3.原稿内容のチェックと決定、4.スケジュールの承認、5.制作会社採用の決定)についての最高意思決定機関。普通五〜七名程度で構成。役員会をそのまま編纂(編集)委員会にするケースもある。
(社史)編纂(編集)室
編纂(編集)委員会で決まったことを実作業に移していく役割を担う。情報が偏らないように、営業、製造・技術、総務・人事から兼任で任命する。スケジュール、企業規模などに応じて専任の場合も必要。一人は会社の歴史をよく知っている人、他に社内報などの編集担当を経験している人が適任。
デザイナー
(装丁[そうてい]家
印刷物の意匠面を担当する者をいう。書籍のカバー・表紙・帯・見返し・本とびらなど、いわゆる外装だけを担当する者は「装丁家」と呼び、雑誌やパンフレットのデザインに携わる者と区別する。
ライター
書籍・雑誌等の編集作業を担当する者に対し、取材・原稿作成を担当する者を称して、あるいは、著述を業とする者全般を称してライターという。狭義には、小説家、ジャーナリストなど主体性の強い創作活動に従事する者に対し、顧客の依頼に基づき原稿作成に従事する者をライターと呼ぶ。
カメラマン
写真家。写真を撮影し、その成果をもって収入を得るプロフェッショナル。社史の場合では、役員の近影や、集合写真などで、プロのカメラマンを登用することが多い。
コピーライター
ライターのうち広告文案専業の者を「コピーライター」と呼び、区別する場合がある。しかし、その境界は必ずしも明確でない。
データマン
データに関してまとめる作業をする者。資料からのデータ入力や、写真データの整理・管理、また必要に応じて様々な資料の整理・有無の確認なども行う。最終の組版を見越したデータの整理を要求されるため、編集者・DTPオペレーターとの打ち合わせは必須となる。
校正者・校閲者
文章の校正を専門とするもの。校正は一般的な誤記・文章表現の統一などをチェックする作業、校閲は時代考証や専門的な知識の真偽などをチェックするとされるが、その境界は広範囲かつ曖昧であることが多い。社史の場合、文章の量も相当量になるため、校正者の目を一度以上通して印刷事故を避けている。
著者
書籍の著作者のこと。
印刷所
テキスト入力・組版・製版・刷版・印刷・製本を請け負う業者。DTP工程の場合は、製版以降の工程を請け負うこととなる。
製本所
前項「印刷所」の担当範囲のうち、「製本」の工程を担当する業者。

編集関係で使う用語

ノンブル
各頁に印刷されている頁数を示す数字。
まえがき
書籍の巻頭で、著者・監修者などが本文とは別に著すもので、多くは読者に向けて執筆の動機や狙い、関係者・協力者への謝辞などを述べる。「まえがき」を設けず、これらを「あとがき」として記載することもある。
発刊の挨拶
社史、記念誌などでは、巻頭で、発行者(多くは代表取締役)が、読者に向けて、発刊に際しての挨拶を述べる頁を設けるのが一般的である。内容は通常、周年を迎えての所感、社史(記念誌)発刊の趣旨・目的、編集方針などで構成される。
目次
本文の前に設けられるタイトル・見出しの一覧で、各々に該当する頁番号(ノンブル)をつけ、検索できるようにしたもの。
口絵(中口絵)
巻頭に設けられる絵や写真などで構成されるビジュアル中心の頁。本文とは異なる用紙を用いる場合が多い。本文中に挿入される場合は「中口絵」と呼ばれる。
本文
書籍の本体をなす部分で、まえがき、口絵、資料など付録的部分に対して用いられる言葉。
資料編
本文とは別に設けられた数値などデータ的要素で構成される頁。社史、記念誌などでは、新旧の定款、歴代役員の任期一覧、表やグラフによる経営数値の推移、組織図の変遷などで構成されることが多い。
年表
歴史上の出来事を年代順に区分けし、整理した表。社史・記念誌では通常、創立もしくはその先駆的活動のあった年代から、周年記念日もしくは発刊直近まで、会社・組合など当該団体・組織の動向が記載される。これに業界、一般社会の動向が併記される形態のものが大多数を占める。資料編の一要素として位置づけられる場合と、各編から独立したものとして扱われる場合がある。
対談(座談会)
二人の人間が特定のテーマについて話し合うことを「対談」、三人以上の人間が同様のことを行うことを「座談会」という(三人の場合は「鼎談」ともいう)。または、その内容を編集し、書籍・雑誌などに掲載する場合に、その記事を指す。
グラフ
互いに関連する二つ以上の量の関係を、図形化して表したもの。棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフなど様々な種類がある。経営数値の推移や変化などを、大づかみに一目で把握できることから社史・記念誌では、特に資料編で多用される。
表組
分類整理された要素を、表形式に組版する作業、もしくは組まれたその表。表組みソフトで処理できるようになったことから、旧来の単純に罫線で囲んだものばかりでなく、ビジュアルを重視しデザイン化されたものも多くなっている。
イラスト
写真、図形(グラフ)などに対し、挿し絵、図解など絵で表現される要素の総称。特に内容と関わりなく、装飾的に挿入される小さな挿し絵を「カット」ともいう。
あとがき
書籍の本文のあとに、著者・監修者・翻訳者などが著すもの。「まえがき」がある場合は、執筆を終えての感慨や、書籍全体の解説、関係者・協力者への謝辞などが多い。「まえがき」だけを設けて、「あとがき」を省略するケース、あるいはその逆のケースもある。
編集後記
書籍(雑誌)の編集に携わった者、もしくはその代表者が、発刊に至る経緯、編集の狙いや苦心、協力者への謝辞などを述べる頁で、巻末に設けられる。社史・記念誌では編集(纂)委員(会)もしくはその代表者名義で掲載されることが多い。
化粧裁ち
折丁のある部分は袋になっているので、並製本では表紙をくるんでから三方を化粧断ちをする。
上製本は本文を固めた段階で化粧断ちをし、その後、表紙固めを行う。
奥付
本の末尾に掲載される書名、著者、著作権者、発行者(所)、印刷所などの一括表記、もしくはそれが掲載された頁。
発行日
奥付に記載されるその本が発行された期日。市販本の場合は、書店の店頭に並ぶ時期を見越して、それより少し後の期日に設定されるのが慣例であるが、社史・記念誌などでは、周年記念日、配布される記念行事の期日、内外への配布のタイミングなどを勘案して、発行者がふさわしい発行日を自由に決める場合が多い。
発行者
その本の発行主体(発行責任者)のこと。一般書籍なら出版社、社史・記念誌ならそれを制作・配布した会社であるのが通例。
寄稿者
本来は、雑誌・新聞等に(執筆依頼の有無にかかわらず)掲載を目的として文章を寄せる者をいうが、社史制作の場合は、社史・記念誌等に、CLの依頼を受けて署名記事を掲載する者(識者・著名人、取引先、顧客、業界団体関係者、OBなど)をいう。
ルビ
行間を利用して、文字の傍らに併記する小さい文字。難読の文字につけるフリガナが主だが、表現上の意図から本来の読みとは違う特定の読みをさせたり、翻訳書などで原文の発音をカタカナ表記で添えたりする場合などにも用いられ。
校正刷り(ゲラ刷り)
旧来、組み上げた活字および写真などの割付の校正を行うために、枠(ゲラ)に入れた状態のまま少部数刷ったものをいう。その後、オフセット印刷でも、校正用の版下のコピー(電子組版の場合は、組版機からの簡易プリント)をこの名で呼び、本文の文字校正だけを行う目的で字詰め、行間だけを整え、写真、図表等のスペースを開けていないもの、すなわち棒組み段階のプリントを、棒ゲラなどと呼んだ。DTPでは、この呼称の指すところは明確ではないが、当社では、組版工程に入った後、印刷所に入稿される前の段階までで、校正を行うためにプリンター出力されたもの全般をこう呼んでいる。ゲラは英語のGALLEYからきている。
傍点(傍線)
強調の目的で、本文の傍らに付される点(線)。仮名文字が続いて読みにくいときなどにも、文節を明確にするため付される場合がある。
本文版面の外側に小さめの文字でつけられる書名、章・節(書籍)、あるいは記事(雑誌)のタイトル。必要箇所を見出す便のために付けられるもので、各々の章(節)あるいは記事の範囲を示している。書籍の場合は、一定の位置に統一したスタイルで入れるのが原則。奇数頁に章、偶数頁に書名を入れるのがオーソドックスなスタイルだが、今日では書名を入れるケースは少なく、章タイトルを奇数頁のみに入れるケースが多い。なお、章と節など二本以上立てる場合は、通例、区切りの範囲の大きいほうを奇数頁に、小さいほうを偶数頁に配する(以上は縦組みの場合)。
注(脚注/頭注/傍注/割注/補注)
本文中の言葉や、述べられている事柄について説明、補足を行うために、本文とは別に付記するものの総称。本文中の当該箇所に括弧でくくり割り込ませるものを「割注」、本文の下部に入れるものを「脚注」、同上部に入れるものを「頭注」、同行間に入れるものを「傍注」、章・節の末尾もしくは巻末にまとめて入れるものを「補注」という。
索引
書籍中の特定の字句・事項の所在箇所を検索するために付けられた目録。本文から抽出された特定の字句や事項を、五十音など一定の順に配列し、これにその所在頁のノンブル(場合によっては、段の上下左右まで)を付したもの。
凡例
書籍の巻頭に付される書籍の編集方針や利用の仕方などに関する説明で、通常は箇条書きのスタイルをとる。章、節などブロックごとの冒頭に付される場合もある。
使用資料(引用・参考文献)一覧
当該書籍の作成(執筆・編集)に当たって、引用原典、あるいは参考として利用した書物、文献などの一覧。巻末に掲げることが多い。学術誌、学会誌などでは、この掲載を義務づけているケースもある。
校正(初校/再校/三校/念校)
文字の誤りや内容の正誤・適否・整合性などを正す作業。文字の誤りを正す作業を「校正」、内容の正誤・適否・整合性などを正す作業を「校閲」と区別する場合もある。一回目の校正を「初校」、二回目を「再校」といい、以後は回を重ねるごとに「三校」「四校」と回数相当の数字を冠する。校正を終了することを「校了」といい、全体としては校了だが、一部だけもう一度校正したいときに当該部分の校正紙だけをとり、
校正することを「念校」という。
色校正
色刷りで出される校正紙のこと。原則として本紙(本番で使う用紙)で刷る。二色以上の多色刷りの印刷物では、製版後に実際のインクで印刷してみるまでは、そのカラー刷りの仕上がり状態をチェックすることができないため、この校正を行う。色の配合の適否、カラー写真の再現性、色分解の正誤などを、色にかかわるすべての要素をこの段階でチェックする。なお、DTPの場合、カラープリンター出力など、フィルム出力(=製版工程)前に、同様の校正を行うことができるが、精度は落ちるので色校正は必要である。
簡易色校正
本紙校正によらない簡便な色校正を指す。たとえば、印刷所が写真のスキャニングを行い、面付を終えた後に、フィルム出力前に、カラープリンター等により出力した校正用のプリントを指す。なお、この場合、印刷所のプリンターの方式や機種によりコンセンサス、アイリス等さまざ
まな呼称が用いられる。
青焼き(校正)
オフセット印刷の単色刷りでは、製版されたフィルムを青写真感光紙に焼き付けて校正紙とする。その校正紙を青焼き、その校正作業を青焼き校正といい、文字の欠け、かすれ、製版の正誤、写真製版の仕上がり、面付の正誤等をチェックする。
フィルム校正
青焼き校正における訂正が正しく行われているか、印刷所(もしくは製版所)に出張し、フィルムを直に見て校正することをいう。版を検査するという意味で「フィルム検版」ともいう。
刷 り取り(校正)
本番印刷を終えたものを一部抜き取ったものを「刷り取り」という。製本前の段階であれば、万一訂正もれ等があっても、刷り直しは当該する台だけで済むことから行う最も最終段階の校正で、したがって、製本前に行うのが原則。工程の緩急により、印刷所に出向いて校正を行う場合と、印刷所が刷り取りを届けてくるケースがある。
責了
責任校了の略。次の校正紙を出さず、訂正作業とその確認を、印刷所が責任をもって行い、次工程に移ってよい、という意味。責了となった校正紙を「責了紙」と呼ぶ。
誤植(誤字/脱字)
誤って植字された活字もしくは写植文字、もしくはその作業ミス自体を「誤植」という。このうち文字の誤りを「誤字」、必要な文字が抜け落ちているものを「脱字」と呼ぶ。
用字用語
「言葉ごとの漢字の使い方、使い分け」「送りがなの付け方」「用語の適用の仕方」「常用漢字で書けない語の書き換え、言い換え」などのルールを総称していう。出版物では原則として、書籍(雑誌)ごとに、この統一を行う。
レイアウト(割付)
一定の紙面に、本文、写真、図表などの要素を、効果的に配置する作業。通常は、専用紙に指示を書き込み、次項の「組版」の設計図とするが、編集者やデザイナーがDTPのディスプレイ上で、この作業を行う場合は、この作業がそのまま組版作業となる。
組版
レイアウト(割付)の指示にしたがって、版を組んでいく作業。
写真のトリミング
写真をレイアウト上に指定された枠内に、どのような倍率で、どのような構図で収めるか指定する作業、もしくはその指定。
ポジ(フィルム)
色彩が反転しておらず肉眼で見えるように写っている陽画フィルムをポジ(フィルム)という。
ネガ(フィルム)
色彩が反転している陰画フィルムをネガ(フィルム)という。
プリント(紙焼き)
写真に限らず、文字等も含めて印画紙に焼き付けられたもの全般を「紙焼き」という。写真原稿の場合も印画紙に焼き付けられたものを意味し、プリントとも呼ばれる。通常はネガフィルムから焼き付けられるが、ポジフィルムから直接焼き付けること(ダイレクトプリント)もできる。
焼き付けをデジタルプロセスで処理したものをデジタルプリントと称する。
デュープ
ポジフィルムを複製すること、もしくはその複製。これに対し、原版をオリジナル(ポジ)と呼ぶ。
レンタル写真
印刷、映像などの媒体での使用を目的に、既製の写真を有償で借り受けること、もしくはその写真。使用一回ごとに使用料を支払うのが原則。提供者のクレジットの掲載を義務付けられるケースもある。
著作権
知的所有権の一つで、著作者がその著作物を独占的に利用し得る権利。その種類は著作物の複製・上演・演奏・放送・口述・展示・翻訳・(映画の)上映などを含み、著者死後も一定期間存続する。
発行権
著作権をもつ著作者が、出版物を発行する人物、団体に対して設定する権利。一般に公開、領布、販売する権利の総称。
肖像権
人格権の一つ。自己の肖像画や肖像写真を無断で描かれ、または撮影され、公表されるのを拒否する権利。
クレジット
新聞、雑誌、書籍などに使用された写真や記事、資料などの提供者を明示する表記。使用箇所に表記する場合と、巻末にまとめて表記する場合がある。
トレース
原図の上に半透明の紙を置くか、紙の上に原図を拡大・縮小投影して、なぞり書きして複製すること。DTPでは、原図をスキャニングした映像をもとに、ドローイングソフトを使ってディスプレイ上で同様の作業を行う。
デザイン案
制作工程において、印刷物の当該部分の全頁をデザイナーがレイアウトする場合に、デザインのプレゼンテーション用として作成される見本。
印刷物は、印刷機の大きさと、印刷物の判型の関係により、一度に刷れる頁数が決まってくる。その一度に刷れる単位を「台」という。社史・記念誌の主流であるB5判、A4判の場合、通常、八頁ないし一六頁を一台とする。しかし用紙が違う場合も、色数が違う場合も、一緒には刷れず、一緒に刷れる各部分の頁数も八や一六の倍数に収まるとは限らないので、規定の台のほかに、半端な頁数が残る場合がある。その台を「端台」と呼ぶ。
台割(表)
書籍(雑誌)全体を、一度に印刷する単位、すなわち台に分けていく作業を「台割」という。端台を全体のどこで取るかなども指定する。原則として、この作業は編集者が行うが、これを印刷所に指示するための一覧表を「台割表」という。
頁構成(ページネーション)
書籍全体、あるいは各部分に掲載する様々な要素を、頁単位に振り分けていく作業をいう。
サムネール
頁構成を視覚的にわかりやすくみせるために作成する。各頁を模した実寸より縮小された四角い枠を、頁順に並べ、その中にダミーの写真(もしくはそれを表す枠)、仮に作成したグラフ・表、本文組みを模した記号などを、実際の組版をイメージできる程度の精度で配して、頁構成およびその効果が具体的にわかるようにしたもの。
リライト
一度作成された文章を、その最初から最後まで、改めて書き直す作業をいう。
年表台帳
社史・記念誌の制作の基礎となるデータを、要素別に分け、さらにこれを年(もしくは経営年度)ごとに整理した表。
(本文)構成案
社史・記念誌の本文構成の企画案で、時代区分あるいは章立て程度の大枠を示すものを、「構成案」と呼ぶ。
(本文)仮目次
社史・記念誌の本文構成の企画案で、取材終了後、執筆開始前に作成される、前項の「構成案」から進んだ段階のものを指す。最低限、各章の構成要素がわかる程度に詳しいものである必要がある。
(部・章・節)タイトル
本文を分ける単位である部・章・節ごとに付けられる題名。
(大・中・小)見出し
前項と同じ意味であるが、第○部、第○章、第○節などを冠せず、題名だけのときに、その区切りの大きさを区別するために、大見出し、中見出し、小見出しなどの呼称が用いられる。
第一稿(第二稿、第三稿)、完成原稿
最初に書かれた段階から、チェック・修正を経て完成していくまで原稿の各段階を示す語。

デザイン・装丁関係で使う用語

判型[はんけい]
本の寸法を表す。JIS規格と変形本とがある。用紙規格A列、B列があり、A列よりも少し大きい菊判があり、B列よりも少し大きい四六判がある。規格寸法の場合は、A5、B5と表記すればよいが、変形判は寸法を表示する。
体裁[ていさい]
本の造りの総称。大きさ、頁数、製本仕様、表紙の作り方など。
上製本
表紙の中味に芯ボールが加工され、本文用紙をくるんでいる。背を固めるやり方として、糸かがり綴じ、アジロ綴じとがある。
並製本
厚紙、薄紙にかかわらず、用紙そのものを表紙とする。カバーをつける場合もある。背固めの方法は、糸かがり綴じ、アジロ綴じ、平綴じ、中綴じとがある。
糸かがり綴じ
製本の際、裏表四頁または八頁ずつ刷った紙を、規格の大きさに折った折丁を順番に丁合し、糸をかがって背固めする方式
アジロ綴じ
八頁折り、一六頁折りした折丁を順番に丁合し、膠(にかわ)で背固めする方式。
中綴じ
八頁折りまたは一六頁折りした折丁を開いて上から重ね、その真ん中に針金で固定する方式。
装丁[そうてい]
箱、表紙、本とびら、帯などの書籍の造りのデザインを呼ぶ総称。
花布[はなぎれ](ヘドバン)
上製本布クロス仕様の背の内側に、布を貼り付けスピンなどを固定する。
スピン
栞(しおり)のこと。細い布ひもで、読者が読み進んだ箇所を確認するのに使う。
クロス(紙クロス/布クロス/レザークロス)
書籍、手帳などの、主に表紙部分に使用する材料。
ビニールレザー
合成皮革のこと。水濡れに強いので、手帳や現場でよく使う説明書、手引書などの表紙に利便性がある。
継ぎ表紙
表紙加工を二枚の布、または紙で装丁する方法。
化粧裁ち
折丁のある部分は袋になっているので、並製本では表紙をくるんでから三方を化粧断ちをする。
上製本は本文を固めた段階で化粧断ちをし、その後、表紙固めを行う。
丸背[まるせ]
本文の頁数が多い書籍に便利。背が丸くなっていて本文用紙と背に空間を作り、本を開いた状態に保ちやすく、自然に閉じてしまうことがないため、本を手で押さえている必要がない。
角背[かくせ]
判型の大きい本に便利。丸背の場合は、本文も丸くなった分だけ背の方に寄せなければならないが、角背はその必要がない。開いた状態の保持では丸背に劣り、小さい本ではすぐに閉じてしまうが、大きい本ならば紙の重みで開いたままの状態が保ちやすい。
ボールケース
ボール紙をそのままホッチキス止めして加工したもの。
化粧ケース
ボール紙で加工したものに、特殊紙を貼り付ける。豪華本に使われる。
グラシン紙
表紙(布・紙)の保護をするために使われるかけ紙。
ビニールカバー
表紙(布・紙)の保護に使われ、特に水濡れに強い。
箔[はく]押し
表紙など印刷するのではなく、金型で圧力を加えて文字・図柄などを転写すること。文字の部分に使われる色は、金、銀、黒、赤などが多い。
空[から](型)押し
文字・図柄などに色を使用せず、金型で押した凹みで文字・図柄を表す。
ジャケット(=カバー)
表紙(布・紙)を保護するために巻く厚手の紙。半透明のグラシン紙、透明なビニールカバーと違って表紙を完全に覆い隠してしまうことから、ジャケットを巻く場合、表紙に代えてジャケットを装丁デザインの中核とし、表紙は副次的なものとして地味なデザインにとどめることが多い。
PP貼り
カバー、表紙などの表面に、ビニール加工を施すこと。光沢のある表面仕上げをPP貼り、つや消しの表面仕上げをマットPP貼りという。
帯(腰巻き)
本の表紙(カバー)または外箱に巻く帯状の紙。本来は書店販売に際して、内容や特色をアピールするためのものだが、外しやすく、巻き替えがしやすいことから、イベントでの頒布や配布用に、メッセージや配布意図を盛り込んだ帯を巻くなど、本の内容のアピールとは別の意図で使われることもある。
見返し
表紙の裏側に貼って、本の中身と表紙を結合させる役割を果たす厚手の紙。隣り合わせとなる表紙および本とびらのデザインや用紙とのバランスを勘案して紙が選択されることが多く、ここに文や写真を印刷することもある。
とびら
部・章など内容の大きな区切りを明快にするため、各ブロックの最初の頁に単独でタイトルや見出し、リード文などを印刷したもの。巻頭に設ける本全体のとびらを「本とびら」、中に挟まれる章などのとびらを「中とびら」という。本文と同じ用紙を使うケースも、別の用紙を使うケー
スもある。
束見本[つかみほん]
頁数が確定したのちに、本の厚みをみるために、本番と同じ用紙(印刷していない)を使って作る見本。主に、表紙やジャケットのデザインで、正確な背の幅を知るために使われる。
書体(フォント)
本来は、草書体、楷書体など、長い歴史の中で一定のスタイルに統一されてきた筆記文字の各種様式をいうが、一般に「フォント」という場合、「リュウミン」「新ゴ」など写植用の文字のデザイン規格を指す。
級数(ポイント)
文字(写植、活字)の大きさを表す単位。文字そのものの大きさではなく、文字を囲む四角の一辺の長さで表される。1級=0・25ミリ。1ポイント=0・351ミリ。
ロゴマーク
会社、商品などを表象するものとして、個別かつ専用にデザインされたマーク。
ロゴタイプ
社名、商品名などの文字を、既製の書体(写植、活字)を用いず、新たにデザインして、個別かつ専用としたもの。多くの場合、ロゴマークとの組み合わせ方を規定されている。
清刷り
各種サイズのロゴマーク、ロゴタイプおよびその組み合わせを、白い上質の紙(コート、マットコート紙等)に高精細度で印刷したもの。使用法としては、そのまま切り抜いて版下に使う、紙焼き(印画紙)に撮った複製を使う、スキャニングしてきれいにトレースし直して使う(DTP)、などの方法がある。
版下[はんした]
オフセット印刷において、製版の原版となるもので、通常、厚手の台紙に、印画紙に印字された写植文字や写真のアタリ罫(枠を表す線)などを貼り付けて制作される。電子組版やDTPの場合、完成した組版データを印画紙出力して版下とする場合と、直接フィルム出力して、版下の工程を省略する場合とがある。
版面[はんづら]
一頁単位の本文組みのスペース。書籍の場合、本文全体を通して、これを統一するのが原則。
版面は印刷可能な範囲全体を示す言葉として使われることから、これと区別するため「本文版面」とも呼ばれる。
単色刷り/多色刷り(二色刷り、四色刷り)
製版に際して色分解を行わず、一つの版で一種類のインクを使って印刷する場合を「単色刷り」という。これに対し、二つ以上の版に色分解して、二種類以上のインクを使って印刷する場合を総称して「多色刷り」というが、製作に際しては、使う版(色)の数に応じて「二色刷り」「三色刷り」と個別に指定される。いわゆるカラー印刷は、黄・赤・青・黒の四色(三原色+黒)に分解製版して、同様の四色のインクで刷るもの。基本的には、あらゆる色をこの方法で表現することができるが、絵画等の微妙な色の再現は困難であることから、さらに微妙な色合いを加えるために、特色を一色加えて五色刷りとしたり、八色や一二色に分解製版・印刷する場合もある。
特色
四色分解における規格の刷り色(黄・赤・青・黒)以外の刷り色、もしくはそのインクをいう。
原則として、この特色の指定は、「鳶色」「マリンブルー」など規格化されていない色の名称は使わず、インクメーカーが作成する見本の「色チップを添付」するか、もしくはその色チップの「メーカー名と色番号」で行う。

デジタル・データ関係用語

DTP
Desktop Publishing(机上における出版物作成)もしくはDesktop Prepress(机上における印刷前工程処理)の略。コンピュータ上で編集・組版・製版指定作業をすべて行う印刷物の制作方法もしくはその工程を指す。しかし実際には、印刷所でも、同様の工程をコンピュータ処理している場合が多く、それらと区別するため、通例、出版社・制作会社などが、自らもしくは自社内でそれらの作業をコンピュータ上で行うことを指す。より狭義には、一般ユーザー向けに市販されていて、大半の印刷所でも対応可能な特定のDTP用アプリケーション(アドビ社のフォトショップ、イラストレーター、ページメーカー、クオーク社のクオークエクスプレスなど)を通じて前記作業を行うことを指す。なお、この狭義の解釈では、出版社等が実作業を印刷所に外注する場合でもDTPと称されることがある。
フロッピーディスク(FD)
コンピュータ、ワープロ用の外部記憶媒体(磁気ディスク)。次項の「MOディスク」に比して記憶容量が1MB(メガバイト)前後と小さいため、書籍・雑誌等の制作では、組版データや画像データの処理には不向きで、主に原稿のテキストデータや、文書類のデータの保存等に使わ
れる。
MO(光磁気ディスク)
コンピュータ用の外部記憶媒体(磁気ディスクの一種であるが、読み取りにレーザー光を使用する)。記憶容量が一二八MB〜六四〇MBと大きいため、書籍・雑誌等の制作では、組版データや画像データの保存に使われる。
CD‐R、DVD‐R
近年ではデータの保存メディアとして、MOやフロッピーディスクにかわり、CDやDVDが使われることが多い。それぞれにCD‐RWやDVD+Rなどの異なるフォーマットが存在する。焼ききる形のRのほうが、追記ができるものより多少のコストは要するが、不用意な消去や上書
きなどのトラブルを避けることができるので、複雑な情報を扱う際には使いやすい。CDならば〜七〇〇MB程度の容量を、DVDなら四・七GB(ギガバイト)程度の容量を保存できる。
ワード、エクセル
マイクロソフト社の開発したアプリケーション。ワードは、文書作成ソフト。エクセルは表計算ソフト。DTPの世界でも広く使われており、テキストのやり取りはこの二つのソフトを利用して行うことが多い。長い文章はワードで、リストや年表などはエクセルで作るなど、使い分け
を行い、情報を整理する。
JPEG
静止画像保存形式の一つ。また圧縮の方法に対してもJPEGと呼ぶ。拡張子はjpg (ごくまれにjpeg )が使用される。一般的によく使われる画像の保存形式であるが、非可逆圧縮の画像フォーマットであるため、保存のために画像が自動的に圧縮されるという特性をもつ。印刷
として使用する際は、JPEGでの再保存・保管は基本的に避けるほうがよい。画像のデータとして他に代表的なものとして、TIFF(ティフ)、BMP(ビットマップ)、PNG(ピング)
などがある。
EPS
画像保存形式の一つ。また、イラストレーターの保存形式でもある。詳しくは、アドビ社が開発したスクリプトであるポストスクリプトをベースにした保存形式。特徴としてベクトルデータとビットマップデータの双方を保存できる。画像の保存に際しては、印刷に適した保存形式であり、DTP業界では基本的に使われる保存形式である。
PDF
アドビ社が開発したファイルフォーマットおよびその関連技術。使いやすさと汎用性を売りに、広く利用されている。テキストやレイアウト、また画像といったデータを扱うことができ、それを頁組することが可能な上、異なる環境でも元のレイアウトと同じ表示・印刷ができることが特徴となっている。PDFを読むためにはアドビ社のアドビリーダー(旧アクロバットリーダー)が必要だが、同社のホームページで無料でダウンロードが可能。ソフトがバージョンアップし、PDFの安定性が高まるにつれ、校正や修正の指示などだけでなく、現在では印刷のフィニッシュデータにいたるまで、広く使われるようになりつつある。
スキャナー
画像情報のコンピュータ入力装置。イメージスキャナーともいう。
写真スキャン
スキャナーを使って写真原稿を画像データとしてコンピュータ入力すること。
OCR
スキャニングした画像などにテキスト情報を付与する機能。従来は精度が低く、文字の認識が十分ではないとされていたが、近年その精度は向上し、百分の一程度の誤差で文字を読めるソフトも登場してきた。古い紙媒体など、劣化したものをデジタル化し、データベース化する際に有効に利用できる。

印刷関係用語

色分解
多色刷りの印刷に際して、版下や写真原稿を、製版指定に従って、必要な色数の版に分解すること。
モアレ
写真の印刷で、網版の重なりによって生じる文様。斜線状もしくは格子縞状になることが多い。
写真製版は、写真を網点に分解する作業だが、写真原稿が印刷物などすでに網点に分解されたものの場合や、絹目の印画紙プリントされたものの場合などに、密度の違う網版の網版の重なりによって生じる。
写真修正(レタッチ)
キズや汚れ、電線や焼き込まれた日付など、写真上の一部を削除、修正する作業。デジタルプロセスの導入により、かなり広範囲かつ高難度のレタッチが可能になったが、作業内容によってかなりコストが違うので注意が必要。
フィルム出力
DTPの組版データを、製版フィルムに出力すること。
簡易オフセット(ダイレクト、シルバーマスター等)
オフセット印刷の製版では、通常版下(製版の元になるもの)をフィルムに撮り、そこから刷版(後述)に焼き付けを行うが、この工程を省き、版下から直接刷版をおこす方法。
面付
一般に印刷では、一度に一枚の紙に裏表四頁あるいは八頁ずつを刷って、製本のときに、これを折って折丁とし用いるため、折ったときに頁が順番通りになるように印刷前に組み付けを行う必要がある。この版下作業を面付という。フィルムを面付する場合もある。
刷版
面付されたフィルムを、アルミ版、PS版などに光源で焼き付ける。ネガ版とポジ版とがある。ネガ版は光が当たる部分が印刷できる。ポジ版はその逆で光が当たらない部分が印刷可能となる。
印刷
凸版、凹版、平版がある。凸版は、金属活字等を用いて凸面にインクをつけて印刷する方法。
凹版は、金属版等の凹部にインクを満たして印刷する方法。平版は、平らな刷版に水になじむ部分と水をはじく部分を焼き付けて作り、インクが水をはじく性質を利用して、水溶液とインクを用いて印刷する方法。凸版のことを活版ともいう。凹版のことをグラビア印刷ともいう。平版のことをオフセット印刷ともいう。書籍印刷は以前活版(凸版)印刷が主流を占めていたが、今日では平版が大半を占めている。少部数の枚葉と大量部数の輪転とがある。
製本
印刷された刷本を折って、綴じ、表紙、カバー等をつける。上製、並製仕様がある。
丁合
頁を通すこと。少部数の場合一枚一枚の紙を丁合することもあるが、一般に八頁あるいは一六頁(四頁、三二頁等もあり)の折丁を作ってから丁合を行う。
落丁・乱丁
落丁は頁が抜け落ちること。乱丁は頁が入り乱れること。