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企業情報
メッセージ
Q: 主な業務は何ですか?
弊社は、社史の制作を専門に請け負っております。また、ビジネス書を中心とした一般書籍の出版も行っております。
Q: 創業年月日はいつですか?
A: 1984年2月6日、創業者が一人で始めました。それが今では従業員は約50名となっています。
Q: 会社のセールスポイントは何ですか?
A: 弊社は社史の制作に特化して、業界ではトップクラスの受注実績を誇っております。会社の規模では当社より大きいところもありますが、熱心さではNo.1だと自負しています。
Q: 外国企業からの問い合わせに対応可能か?
A: はい。どこのお客様でも真摯に対応いたしますが、北極南極と戦争状態のお国は御免こうむりたいですね。今のところは日本のお客様からのご要望にお答えしていきたいと思っております。
Q: どのような会社のものが多いですか?
A: 業界は多岐にわたりますが、当社の場合は、戦後生まれの会社が多いようです。日本は、1945年の第2次世界大戦の終戦後、復興と高度経済成長を遂げてきました。戦後各地で創業されたメーカーは復興に大きな役割を担ってきたわけですが、それらが次々と50年~60年の節目を迎えているわけです。
Q: 社史の発刊目的は、どんなものが多いですか?
A: 周年を機に、社内・外に散逸している資料、記憶・記録などを整理・保存し、次代に伝えるのが目的です。また、過去の足跡をたどることで得られる教訓を、今後の企業経営に生かすことも目的の一つですね。会社が長い歴史を積み重ねてこられたことへの感謝の気持ちを、お取引先様を始め、会社の内外に表明するために社史を作る会社も多いようです。
変わったところでは、品質事故を起こした経験を風化させないために、あえて事故に内容をしぼった社史というのもありましたよ。事故は誰もが忘れたいことなのに、あえて社史にして社会に投げかけるというのは、勇気のあることですね。
Q: どんな構成の社史が多いですか?
A: 日本の社史ではおおむね、3つの部分から成り立っています
1) 社長挨拶から始まって工場や社屋、製品の紹介など、その会社の現況をビジュアルで紹介するページです。
2) 歴史を体系的にまとめた本文。創業から現在までを時代を追って編年体で構成しているもの、部門別にまとめられるものなどがあります。経営の歴史だけでなく、技術の変遷を別個にまとめている例もありますね。
3) 最後にデータ集です。組織図や役員任期一覧、売上高や資本金の推移がグラフなどで表現されています。 だいたいこの3つが基本となって、それに様々な記事がプラスされていきます。
Q: どんな視点で書かれているものが多いですか
A: 日本の社史の大半は、会社を主体として客観的事実が淡々と書かれているものが多いですね。これは、社史発刊の目的である「資料、記憶・記録などを整理・保存し、次代に伝えるのが目的」ということに起因しているのでしょう。したがって、その社史の原稿を書くライターも、その会社の一員に成り変わって、いわばゴーストライターとして書いているケースがほとんどですので、筆者の名前が社史に表示されることは少ないですね。発行の経費も基本的にその会社が負担しています。アメリカなどでは、学者やジャーナリストが研究対象として書いている例も多いようですが、日本では自社のために発行する社史ばかりです。
Q: 社史編集で特に苦労することは何ですか?
A: 資料が不足していると、とても苦労しますね。そんなときは、倉庫に眠っている資料をあさったり退職した人に資料提供を呼びかけたりして、あらゆる努力を払います。資料不足をごまかしながら作業を進めてしまい、最終段階になってどうにも整合性がとれず、散々な目にあったこともあります。
ところが、事実関係だけわかっても仕方がないのです。事実の背景にある、経営者の考え方、これこそが社史の核心なのです。考え方の描かれていない社史は無味乾燥ですが、ここに考え方を加えると、面白くてためになる読み物に変身します。
では考え方をどうやって探り出すのか? それは無料ではお教えできませんな・・ははは。
Q: ご自分で会心の出来と思われるのは、どのような社史ですか?
A: 業界大手の物流会社の50年史を、4年がかりで編集しました。社史をだれが読むのかを考えて、いくつかの本に作りわけをしました。
1) 本編では歴史を正確に記録することに力を尽くしました。これが日本の社史のもっとも通常の作り方。
2) 次にお客様用として、雑誌のようなスタイルの分冊も作りました。これは長々と歴史を説明するのはやめて、写真でイメージできるように構成しています。
3) また、社員・ご家族用として、クイズや4コマ漫画を取り入れて楽しく眺めることができる分冊も作りました。「10歳程度の子供でも理解できるように」を合言葉にやさしく表現し、それでも使わざるを得ない難しい漢字に振り仮名をふるなど、練りに練った企画です。 別のところで詳しい紹介文を作っていますので、ご覧下さい(日本語しか用意できていなくて申し訳ありませんが)
http://www.shashi.co.jp/voice/sagawa.html
Q: ご自身の今後の展望は?
A: たいした展望はありませんが、自分としてはずっとこの仕事を続けたいと思っています。また社史を読むことの面白さを、一人でも多くの人に伝えたいと思っています。歴史に学ぶことはすばらしいことですから。
どうもありがとうございました。
2008年6月
徳山 匡